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【120-1 上】警視庁物語 遺留品なし(1959)監督;村山新治  →【120】概要
 →【121】 →【119】  →【120-2 下】後篇 ▼キャスト▼ ▼捜査の行方▼

 →【114】警視庁物語 顔のない女(1959)
  【120】警視庁物語 遺留品なし(1959)
 →【103】警視庁物語 深夜便130列車(1960)
 →【121】警視庁物語 血液型の秘密(1959)
 →【122】警視庁物語 聞き込み(1960)
 →【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
 →【75】警視庁物語 行方不明(1964)
 →【136】警視庁物語 十五才の女(1961)

 東映東京撮影所の人気シリーズ、長谷川公之原作「警視庁物語」第11作。
 夏の朝、中目黒(代官山界隈)のアパートで、住人の女性(電話交換手)が絞殺
されていた。遺留品はないが、犯人は親しい関係と推測される。
 現場の聞込みによれば、前夜、アパートに停電があり、被害者殺害に際して、電
気スタンドを破損したのが原因と見られる。同時刻、怪しい人影を見た、と寿司屋
の出前持ちが証言。
 一方、被害者の親しかった同僚の電話交換手に、被害者の男関係を尋ねると、煮
え切らない応えをするのであった……。
 警視庁捜査一課の主任警部・神田隆。続く6名の刑事たち。
 堀雄二、花沢徳衛、須藤健、山本麟一、南広、佐原広二。
 捜査本部は、目黒署。「交換手殺人特別捜査本部」。
 木村功が、女グセの悪そうな、嫌味な役で登場。
 30歳独身OLの株式投資に結婚相談所。貸出し電話と私書箱を用意した「待合喫
茶」。

 朝の発見(前夜の犯行)から、まる2日、夕方解決。ぬぐう汗、セミの声、盛夏
8月の物語。


松本克平………捜査一課長。冒頭、現場検証のみ。
神田隆…………警視庁捜査一課(号室不明)、捜査主任。冷静沈着なボス。
堀雄二…………同、部長刑事ナガタ。ポーカーフェイス。常にネクタイ着用。
花沢徳衛………同、刑事ハヤシ。温和なベテラン。キャラメルメモ。
須藤健…………同、刑事ワタナベ。
山本麟一………同、刑事カネコ。腕時計の革ベルトの下に汗対策のガーゼ。
南廣……………同、刑事ヤマムラ。堀同様常にネクタイ。谷本に吹出しそうに。
佐原広二………同、刑事タカツ。Yシャツのポケットにネクタイ、ラストはそば屋


 夏の朝、目黒区上目黒1-49(現中目黒1-1、駒沢通りから目黒学院高へ入る道)
の坂の途中のアパートで、住人の女性「坂井久子」が絞殺されているのを、向いの
部屋の主婦・藤里まゆみが発見する。
 現場検証の結果、
・スイッチの入ったまま、割れた電気スタンド、そのコードが首にまきついていた。
・遺体にコートがかけてあったので、知人ならではの、しのびない気持ちを察する。
・現金、株券に手をつけていないのは、物盗りではなく怨恨か?
・茶の残ったティーカップが2客、口紅のついてない吸い殻。
・犯人の遺留品らしきものは、無し。
ということが提示される。
 住人に聞込みの結果、
・被害者は“デンオンビル”の(電話)交換台に勤務。
・昨夜8時10分頃、ショートにより、アパートが停電、これを犯行の為と推測。
・被害者は地味な性格で、特に恨まれている様子もなかった。
という証言を得る。
 犯人につながる遺留品がないが、犯行時刻が宵の口でもあり、目撃者がないか、
徹底的に聞込みをするよう、課長・松本克平は指示を出すのであった。


東恵美子………被害者の親しかった同僚、電話交換手オカヤマミツエ
谷本小夜子……被害者の同僚、電話交換手イグチ  おしゃべり
成瀬昌彦………被害者と同じビルに勤める丸宏証券会社員・コヤナギ
木村功…………被害者と同じビルに勤める太陽建設社員・スガイ
長谷部健………被害者が、結婚相談所で紹介された男・池原キヨシ
八代万智子……被害者と同じビルに勤めるエレベーターガール・シノハラセツコ
藤里まゆみ……事件の第一発見者、被害者と親しい、同じアパートの主婦

殿山泰司………結婚相談所「のぞみ社」のおやじ  被害者にイケハラを紹介
星美智子………被害者アパート3号室の住人、2号さん  表札によれば田辺笑美
八名信夫………犯行時刻にアパートから逃げた不審人物、星美智子の浮気相手
杉山徳子………待合喫茶「パロマ」で、イケハラ・長谷部健と待合せだという女
古賀京子………東都医大生理学研究室の美人助手
山本緑…………丸の内ソシャルクラブのパーティで人気の活発な独身女性
片山滉…………おそらくレギュラー役の法医医師、クレジットされているが、頭の
       後ろしか映らず、判別不能。プレスシートでは、指紋課員。

犯行現場の古いアパートは、目黒区上目黒1-49(捜査本部の黒板、電柱の番地表示)。
駒沢通りの、都電の下通5丁目電停と、中目黒終点の間から、目黒高校(目黒学院
高)へ入る道の途中。現中目黒1丁目、2018年現在、ファミリーマートの右の
路地をはいった急坂。駒沢通りは拡幅されて、新道坂から降りるスロープは、なく
なっている。
捜査本部の目黒署。主任・神田のあおぐウチワに目黒商店街と書かれていたり、芸
が細かい。
もうひとつの舞台となるデンオンビル。直前に挿入される映像によれば、大手町
近の設定か。  ※ 部18.1.17修正
ビル屋上の昼休み風景、この頃おなじみのコーラスの練習、ロシア歌曲。1日目は
「行商人(コロブチカ)」、2日目は、「泉のほとり」。
終盤の舞台、座席への電話の貸出しや、私書箱を設置した、ビジネスに便利な「待
合喫茶」、西銀座の高速道路の地下。付近はあちこちで工事中。
結婚相談所の聞込みで、徳衛と佐原は、東京中を尋ね歩く。2日目は、キリの方、
と初めに映るのは、高田馬場。画面奥に、早大生なら多分御存知、「海の屋」の看
板がちらりと。
ラストの捕り物は、渋谷の桜丘。

   
▲ページ冒頭▲ ▲キャスト▲

◆◆捜査の行方◆◆

[東映マーク] 荒磯にドラムロール

[プロローグ]
   住宅地の朝、子供たち誘い合って学校へと走って行く。
   子供を送り出した母親・藤里まゆみ、いつもは出かけている時間なのにラジ
   オがつけっぱなしの「坂井久子」の部屋の様子を見に行く。すると、レイン
   コートをかけられ、畳の上に転がる女。不審に思い、コートをはいでみると、
   首に電気スタンドのコードが巻かれ、絞殺されていた。悲鳴をあげる藤里。
   卓上ラジオのアップ(VICTOR)にタイトル、「警視庁物語 遺留品なし」。

[タイトル/スタッフ/キャスト/監督]
   画面はラジオのアップのまま、放送のムードミュージックが流れ続ける。
   曲調は、少し不安な感じ。
   キャストのトップは4人。「南廣/堀雄二/星美智子/木村功」
   「監督 村山新治」の文字が消えると、スイッチを切る指。画面が引くと、
   腕には「捜一」の腕章、現場検証に来た、捜査主任・神田隆の指だわかる。
   ※「顔のない女」もそうだが、非常に技巧的なオープニングである。


[1日目]  →
[2日目]◆注意!◆結末明記

 ●アパート「清風荘」 被害者「坂井久子」の部屋の現場検証
   遺体を検証する法医医師、指紋を採取する鑑識。そして、捜査一課長・松本
   克平の立会いのもと、手掛りを探す刑事達。
  第一発見者、向いの部屋の主婦・藤里まゆみの聞込み/山麟
    ・恨まれていた様子は無い。
    ・勤め先は、“デンオンビル”の(電話)交換台。
   堀「電球が割れてますね。」「抵抗した時に割れたんだろう」と神田。
   南「このマッチの軸は?」神田「ガサる時の明りをとったんだろう。」
   徳衛「ああ、このスタンドはスイッチがはいったままですね。」
   ※主人公の刑事達が、一人一人、手掛りとともに紹介されていく。
  6号室の若い男の聞込み/須藤
    ・昨夜8時10分頃、アパートに停電があった。
    ・アパート全体のブレーカーのヒューズがとんでいた。
    「誰かが、ショートさせやがったんだ。」
   座卓の上には、お茶のはいったティーカップが2客。間の灰皿には、口紅の
   着いていない吸い殻。
  3号室の若い女・星美智子の聞込み/佐原
    ・特に不振な物音は聞かなかった。
    ・被害者に、ふだん来客はあまりなかった。
    「地味な人でしたから。」
   抽きだしの大量の株券には手を付けていない。
   首に扼殺(首を絞めて殺す)の指の跡あり(堀が指摘)。
   もてなした形跡と、被害者にレインコートをかけてやる情からみて、顔見知
   りの犯行だろうと推理。
   電気スタンドのショートから停電が起きたとみられるので、犯行時刻は、前
   夜8時10分頃。(須藤)
   金目のものに手をつけた形跡がないので、物盗りではなく、痴情でもなさそ
   うなので、怨恨と推定。(徳衛)
   犯人の遺留品らしきものはみつからず。したがって、まず、捜査は聞込みに
   全力を尽くせと、松本。神田が部下に仕事を割振る。
   堀、徳衛、南は、被害者の勤め先へ。
   佐原は現場待機。
   須藤、山麟は、周辺に目撃者がないか聞込みに。
   
 ●都心のビル街俯瞰
   都電の路線敷がある大通り、少し先の左手に時計塔(丸の内野村ビル?)、
   その奥にガードが見える。ビル入口のカットでは、向いに住友銀行。
 ●電話交換室
   主任の女性に、交換嬢オカヤマ・東恵美子が呼ばれ、休憩所へ。ユニフォー
   ムのポケットには“DenOnKan”と刺繍がはいっている。
 ●休憩所  堀、徳衛、南
   親しい同僚「坂井久子」が殺されたと聞いて、驚く東。
   刑事達は、男関係をきき出そうとする。
    ・30歳で、身寄り(親兄弟)なし(これは徳衛から語られる)。
    ・男性の影はなく、恨まれている様子はなかった。
    ・貴金属を持っていた様子はない。「あたしはもっぱらマネービルだって。」
    ・株券は、同ビル1階の「サービスステーション」で購入、
     担当はコヤナギ。彼との恋愛関係はなさそう。
   そこへ、交換手の主任が、もう一人の交換嬢・谷本小夜子を連れてくる。
    ・以前、東と映画を見た帰りに、被害者が、男と歩いているのを目撃。お
     茶に誘われた。
    ・紹介されたその男は、東都大生理学研究室で博士研究の「イケダ」。
    ・もう一人、春頃少しつきあっていた男が、同ビル5階の太陽建設社員の
     スガイ。谷本曰く、イヤなやつ。まだ、未練があるらしいという。
    「こないだも会ったら、『よォ、あのオールドミスはどうしてるかい?』
     なんて、ヤバンよね!」屈託なくベラベラ喋る谷本に相好を崩す南。

 ●周辺聞込み  須藤、山麟
   向いのアパート(山麟)
   米屋など(須藤)……渋谷区鶯谷町あたり、猿楽橋下

 ●デンオンビルエレベーターホール
   エレベーターで上がる堀、南。別れて徳衛は1階の証券会社へ。
 ●“丸宏証券”  徳衛
   徳衛が、被害者の担当、コヤナギを呼出す。
   実直そうなメガネ男、成瀬昌彦に、警察手帳を見せて聞込みを始める徳衛。
 ●“太陽建設”  堀
   堀は、南を部屋の外に待たせて、スガイを訪ねる。応対した女社員によれば、
   ・今は外回り、昼には戻る。
   ・普段は残業続きだが、昨晩は、頭が痛いといって、定時退社した。
   本人不在のため、2人はひとまず、もう一方の男関係、イケダなる人物の東
   都医大にまわることに。
   ※ここでは、堀は警察手帳を見せず、客を装う。

 ●周辺聞込み  須藤
   猿楽橋跨線橋近く、山手線線路端の、おでん屋台のおやじ。いぜん、目撃証
   言なし。

 ●丸宏証券  徳衛
   成瀬に、被害者について聞く。
   ・株券以外に、無記名の投資信託35万円分を購入していた。
   徳衛は、犯人がそれを転売するに違いないと、証券番号を調べてもらう。

 ●“東都医大”門前
   門をはいる堀と南。

 ●丸宏証券  徳衛
   番号を調べる間、引続き、被害者について聞込み。
   ・株についても堅実一本槍。「たまには冒険してみたら」と水を向けると、
   「それは性格でできないから……、でもいつもそれでワリをくう」と、男関
    係の愚痴を聞かされた、という情報。
   これは、と徳衛が思ったところに、女子店員から、投資信託の番号のリスト
   が渡されたので、ひとまず、電話を借りて、本部へ連絡をする。

 ●捜査本部  神田、佐原

 ●丸宏証券  徳衛
   被害者の男関係の糸口を聞出す徳衛。
   ・春頃、つきあった男から「冒険を申入れられたが、断ってしまった。」そ
    れきり男はつれなくなった。男の名前が「スガイ」かどうかはわからない
    が、このビルに勤める男。
   ・続いて、誰か結婚してくれる男はいないか相談される。
   ・成瀬のいとこが、“丸の内ソシヤルクラブで”結婚相手を見つけた、と紹介。
   徳衛「ははあ、結婚相談所ってやつですな。」
   ・被害者は、半月ばかり前、“丸の内──”でかどうかはわからないが、結
    婚相手を見つけたという。
   徳衛(キャラメルの箱に書いたメモを見ながら)「その男は、イケダってい
      いませんかね?」

 ●東都医大 生理学研究室  堀、南
   壁の着到板、休暇のコーナーに「池田達夫」の文字。
   応対する白衣姿の古賀京子によれば、
   ・池田研究員は昨日は昼まで出勤。
   ・今日は、日帰りで実家(茨城)へ。
   ・近々結婚するらしいので、その件ではないか。
   と、結婚の線が、証券社員・成瀬の証言と関連を匂わせる。

 ●目黒署・捜査本部  神田、佐原、徳衛
   徳衛帰還、報告。
   医大組から電話、池田の写真を持って、デンオンビルに面通しに行くという。

 ●デンオンビル交換嬢休憩所  堀
   おしゃべり交換嬢・谷本に池田の写真を見せるが、ピンと来ない。
   続いてやってきた東も当惑した顔。
   谷本「人間の記憶なんて、アテにならないもんねえ。」
   東 「あたしも……、ちらっと見ただけなんですもんね。」
 ●同ビル・太陽建設応接間  堀、南
   帰社したスガイ・木村功、待受けていた堀と南に警視庁のものと名乗られて
   驚く。昨夜、何をしていたかを問われる木村。ふてぶてしい感じで答える。
   [ああ、アリバイ調べですね?]
   実は昨晩、さぼって女性と会っていた。
   「僕はチョンガーですからねえ……、あ、でも売春じゃあありませんよ。」
   相手はエレベーターガールのシノハラセツコ。今は昼休憩で屋上だろうとい
   う。
   「聞けばすぐわかりますよ、ちょっとイカす子ですから。」
   ※「アリバイ」という言葉は、当時すでに慣用的か。売春防止法の完全施行
   は本作の前年。
 ●同ビル・屋上  南
   南が、セツ子の証言をとりに屋上へ。
   若い女性「あ、セッちゃんですか?セッちゃーん、お客様よ!」
   バドミントンをしていたセツ子・八代万智子に昨夜の行動をきく。
   「あたし、スガイさんとおつきあいなんかしてません!」
   ※屋上の昼休み風景。バレーボール、バドミントン、コーラスサークルの歌
   う「行商人(コロブチカ)」。周囲のビルは、百尺規制の頃なので、屋上の
   高さが揃っている。南と八代が、手すりにもたれて話すカットは、別のビル
   からの撮影だろう。八代より、「セッちゃーん」と呼ぶ女性の方が、可愛ら
   しい気がする。
 ●同ビル・太陽建設応接間  堀、南
   木村、ソファーにふんぞりかえってタバコを吸っている。
   戻って来た南が堀に耳打ち。「ふむ、そうか。」
   堀 「シノハラさんは、映画を見て、そのまま帰ったって言ってますよ。」
   木村「ええっ?」
   ひどく驚く木村。捜査本部へ同行を求める堀。いやがる木村。

 ●目黒署・捜査本部  神田、堀、徳衛、佐原
   木村、本部のイスに腰掛けている。上着は作業着からおしゃれな背広に。
   犯行時刻の頃は、八代とホテルにいて、その頃近くに火災があった、とアリ
   バイを主張。帰してくれ、と声高にまくしたてる木村に、神田、
   「まあまあ、会社にも許可はとってあるんですから。」
   と、口調はソフトだが、強面で押出す。

 ●アパート清風荘付近聞込み  須藤、山麟
   寿司屋の出前持の少年から有力証言
   ・昨夜8時15分頃、アパートの窓から、靴を手にハダシで逃げ出した男が、
   大通りからタクシーを拾ったという。
   ・30歳くらいの細面(ほそおもて)の男

 ●捜査本部 15時前  神田、堀、徳衛、須藤、山麟、南、佐原(全員集合)
   南、木村がアリバイを主張する旅館の聞込みから帰る。間違いなし。
   女中から、火事騒ぎで逃げ出した時の木村の忘れ物だと、カフスボタンを預
   かって来た。
   神田「どうもご苦労様でした、どうぞおひとりください。」
   木村「いいですよ、カフスボタンを探す手間だと思えば……。」
   木村は、ふてくされながらも、さっさと部屋を出て行く。
   徳衛「やーれやれ、なんとねえ。」
   八代の嘘に振り回されたわけだが、ことがことだけに、仕方なかろうと徳衛。
   南 「あのコ、まだ19なんですよ。」
   徳衛「ハイテーンってやつだな。いやね、今は若いコのほうがハッキリして
      るからね!」
   神田「(頭をかきながら)これで振出しに戻ったというわけか。」
   ・被害者の指紋からは手掛りなし。
   ・神田は、タクシーの目撃情報を得るための手配を須藤に指示。
   ・堀と南は、寿司屋の小僧に、池田の写真で面通ししよう、と出て行く。
   ・徳衛と佐原は、結婚相談所へ聞込みに(ピンからキリの、ピンが9件)。

 ●寿司屋小僧聞込み(渋谷鶯谷町「天狗寿司」)  堀、南
   先程の少年に池田の写真を見せるが要領を得ない。
   仕方ないので、刑事2人は、アパートの聞込みにまわることにする。

 ●権田原、明治記念館前  徳衛
   通り過ぎる都電7系統。徳衛の訪ねる先は「明治記念館結婚相談所」。

 ●アパート清風荘前  堀、南
   風呂帰りか、帰ってきた星に池田の写真を見せる堀と南。手がかりなし。

 ●結婚相談所“聖心クラブ”店内  佐原
   顧客リストに被害者の名前があるが、誰にも紹介していないという。
   ※所長はちょびヒゲ、メガネ、蝶ネクタイ。プレスシートによれば、岩木力
   (クレジット順位高め)

 ●“丸の内ソシヤルクラブ”ダンスパーティ会場  徳衛
   結婚願望のある男女の視線が交錯。係員に「18番」の女性・山本緑を紹介さ
   れる徳衛。メガネをかけているが、快活で人気者。
   ・被害者は、地味で、いつも壁際に腰掛けていた。
   どうやらここでも、出会いはなかった様子である。

 ●捜査本部・夜、本日の成果のまとめと明日の課題
   ・寿司屋の小僧以外の目撃証言なし。
   ・結婚相談所は空振り。明日はキリの方をあたる。
   ・投資信託の手配は返事なし。
   ・タクシーからの、「ハダシで逃げた30歳細面の男」の情報なし。
   ・明日は東都医大に池田が出勤するので、あらためて聞込みに行く。
   今日のところは解散する本部。「これ、お子さんに。」と菓子器の菓子を、
   子だくさんの徳衛にすすめる。みんなで机を移動。
   ※解散直前、南が、菓子器のかりんとうらしき物を一握り、書記を務めてい
    た、所轄の制服巡査にあげている。(この担当巡査は、「深夜便130列車」
    でも、同じ役どころを演じている。)

  [2日目]◆注意!◆結末明記

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 →【114】警視庁物語 顔のない女(1959)
  【120】警視庁物語 遺留品なし(1959)
 →【103】警視庁物語 深夜便130列車(1960)
 →【121】警視庁物語 血液型の秘密(1959)
 →【122】警視庁物語 聞き込み(1960)
 →【89】警視庁物語 ウラ付け捜査(1963)
 →【75】警視庁物語 行方不明(1964)
 →【136】警視庁物語 十五才の女(1961)

即席映画狂第2部【101】〜
即席映画狂第1部【100】君も出世ができる(1964)
        →【01】七人の刑事 終着駅の女(1965)

  
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